makicoo thinks

世の中に対して思うことはここに。

男は何故浮気をするのかのマキ。

2016年は「不倫騒動」の年といってもいいんじゃないか。ベッキーを筆頭に、桂文珍やら米米クラブやら、宮崎謙介元議員やらetc.そして今月はゆうこりんである。

これは芸能人だけの問題かというとそうでもない。既婚者の♂の知り合いが多く、たまに飲みに行ったりもするのだけれど、その中の一定の割合の人は奥さんの他にも親しい女性がいる。皆が口を揃えて言うのが、奥さんは奥さんで大切な存在であり、子供も可愛く、家庭を壊すつもりは一切ないと言うこと。そして例えば大地震のような災害があったら一目散に家族の下に駆けつけるということ。が、美味しいご飯を食べたり、セックスをするのは奥さん以外がいいそうで、時には家族の用事をぶっちして、その親しい女性との関係を優先する。

  既婚者の♀の知り合いにも親しい男性がいる人はいるけれど、その数は♂の知り合いの割合よりぐっと少ない。小さい子供がいるとなおさらだ。そして、♂の人との浮気と大きく違うのが、♀の浮気は「本気」か完全に体だけの関係が多いように思う。男性のように、「楽しい時は奥さん以外と、ピンチの時は家族と」と考える人が少ない気がして、それは何故なのかなーというのが、そういった男性と話をしていていつも思うことだった。

 

浮気を一切肯定するつもりはないけれど、ジェレド・ダイアモンドの「昨日までの世界」を読んで思ったことは、浮気する♂の人にとって、女性というのは無意識のうちに「所有物」なのではないかということだ。

 

昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

 

 

昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(下)―文明の源流と人類の未来

 

 この本では「近代文明と出会わずにきた民族たち」とのコンタクトを中心に、文明や価値観がどのように変化していったかを解き明かす趣旨なんだけれども、この本に登場する色々な部族の女性達は、現代を生きる♀からすると、かわいそうでならない。

 

-白人とファーストコンタクトしたとある部族は白人=天から来た存在と最初に思い、貢物として若い女性を差し出す

-争いが絶えなかった部族間の衝突は、その部族の一番美しい娘を相手に差し出すことで、しばしば和平が結ばれる

-「お金」のような扱いで、品物の見返りに「支払われる」ことも少なくない

などなどなど。

 

「♀=所有物」 というのが現代社会においても潜在的に一部の男性にとってあるとすると、先に書いた「地震のような災害があったら一目散に家族の下に駆けつけるということ。が、美味しいご飯を食べたり、セックスをするのは奥さん以外がいい」というのも頷ける。大災害は所有物の危機である。対応をミスると失う可能性がある。で、平常時というのは、更なる所有物を見つけるために狩りにでかけるのだ。そして現代社会における「狩り」の秘訣は、♀に精神的にも物理的にも豊かさを分け与えることなのだ。

 

で、よくよく考えると、江戸時代までは将軍にはたくさん「妾」がいた訳で、そもそも一夫一妻制がずいぶん新しい制度だということを思い出す。

一夫多妻制 - Wikipedia

「結婚したら浮気するなよ」は極めて現代的な発想で、歴史にして100年足らず。そもそも抱えている♀の数=力の象徴な概念は、チンパンジーをはじめ動物の世界でよくあることで、男性にとって、浮気=狩り、なのだとすると、奥さんへの愛情あるなしに関わらず、奥さんではない女性ともいいことしたいというのは、本能が理性に勝る男性にとっては、なかなか抗いがたい欲求なんじゃないか。一方女性というのは歴史的に所有される側なので、どうも男性ほどにはそういった欲求が出ないものなのかなと思った。

 

男性が複数の女性と関係をもたれると女性にとって困るポイントは、特に女性は生理的に衰えると「子供を生む」という行為ができなくなり、更に男性をひきつける際に重要な「身体的魅力」が衰えていくからである。男性ばかりパートナーを頻繁に変えられると、初期に関係を持った相手は見捨てられる確率が高くなる。イスラム教のように「奥さん4人までは許すけど、結婚したら離婚は基本NG。絶対に養えYO」と厳しく戒律で縛られていない場合、どうしても年をとるにつれて、男性は女性の扱いがおろそかになっていく。そういえばそんな話を古文の勉強がてら、平安文学を読み漁っていた時に読んだなと思い出す。光源氏に手をつけられてそのあとかまってもらえなくなった人は数知れず。あの時代に生まれなくてよかったと心から思う。

 

が。色々調べてみたところ、一夫一妻制はそもそも女性だけに都合がいい制度じゃないらしい。

江戸時代は未婚率が60%以上だったって本当で... - 日本史 | Yahoo!知恵袋

 

一夫多妻制が認められると、裕福な男性が女性を一人占め現象が生まれるようだ。そして結婚できない男性が非常に多くなる。日本の生涯未婚率が下がったのは一夫一婦制になってから。裕福な男性が一人占めできなくなったことで、他の人にも「パートナー」が恵まれるようになったわけだ。そういえばチンパンジーの世の中もそんな感じだった。

一夫一妻制が形骸化していくと、こんな感じになっていくんじゃないか。現に、大した年収もない人と結婚するならお金持ちの子供を婚外子として生んだ方が年収的な面を含めて得だという記事がこの間ややバズっていた。(けちょんけちょんに叩かれてるけど)

 

サラリーマンと結婚するのと金持ちと不倫して子供を生むのとどちらが得なのか? : 金融日記

 

この記事の仮説は「養育費はそんなにもらえない」というのと「社会的にそんなことは男性にとっても女性にとっても恥ずべきことだ」という点で否定されているけど、もし一夫多妻制がなし崩し的に合法化され、アラブ社会のように、離婚が禁じられるのだとしたら、江戸時代のような「結婚する人は恵まれた一握り」という世の中になるような気がぼんやりとしている。このまま「人って浮気するよね」があまりにも一般的になってしまうと、江戸時代に逆戻りである。

 

ものすごく極端なことを言うと、私は今の結婚制度自体に懐疑的(バツイチなのもあるだろう)。どうも今まで見聞きした話を総合すると、浮気する男性にとって女性が「所有物」の扱いになるタイミングが結婚の時または自分の子供が生まれた時にある気がしていて、むしろ結婚制度がない=男性が女性を所有したと勘違いしづらい方が、世の中シンプルなんじゃないかと思っている。そしていざ女性が子供を産んだ後に「別れる」となった際は、男性が強制的に子供を養う義務が生じるとよい。(今もあるんだろうけど、実質機能していなくない?)そうすることで、男性にとっては自分の子供が生まれた後に他の女性と付き合うこと=子育ての義務が生じることになり、一定の抑制になるのかなと思ってしまった。

 

子供を産んだことがないからそういう発想になるのはあると思う。が、身の回りの一部の♂の人との話、シングルマザー問題や経済力がなくて浮気三昧の夫と別れられない系の話を目にすることが多いせいか、こうでもしないと一部の♂の人達の意識は変わらないのかなというのが今日色々調べてみて思ったことなのであった。

 

もちろんベストなことは、「1人の人を大切にするって大事なことだ」という21世紀の常識が、一部の男性との本能の戦いに打ち勝つことではあるけれど。。!