makicoo thinks

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月収の7割弱を占める医療費!あなたならどうするのマキ。

私は長谷川豊は嫌いではなく、むしろ毎回興味深く読んでいたクチだ。

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この記事を読んだ時も「暴論だなーすごい荒れるだろうなー」とは思ったものの「医師の助言に対する取り組み方の姿勢をみてその後の医療にかかる自己負担額を増やす」というのはひとつの方向性としてありだと思った。

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だから、こういう結果になっちゃったのはちょっと残念。

 

あの記事で不快になった人が非常に多くいたというのは事実。その結果の「全番組降板」については自業自得でしかない。

ただ「膨張していく医療費をどう抑制していくか」という問題提起に対して「人工透析者をはじめとする病で苦しんでいる人に対する冒涜だ」「人工透析はそこまで全体の医療費の負担になってはいない」という意見はあっても「医療費を削減するにはこうするのがよいのでは」といった建設的な意見を見かけないのが残念。特にきちんとライターとして実績のある方の感想ですら

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こんな感じ。「好きで病人になる訳じゃないんだ」にまったくその通りだとは思うのだけど、じゃあどんどん上昇していく医療費に対して今後どうしていくんだ、という問題提起について議論するような流れにならなかったことを、私個人としては大変残念に思う。

 

日本の医療費は少子高齢化社会にずしんと重くのしかかっていて

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なんと40兆円を突破している。ちなみに国家予算は平成28年度で96.7兆円。税収は58兆円。で、赤字の分は次世代の借金として毎年積みあがっていっている。

 

分かりやすくすると、月収58万円の人が毎月96万円使っていてうち40万円は医療費ということだ。月収に対する医療費の割合は7割弱。教育が重要と叫ばれているけど、それどころじゃなく、更に毎月46万円分の赤字分は「そのうち生まれる子供が返すんで」といってそのへんの人(国債を買ってくれてる人)に借金している。

 

www.mof.go.jp

 

月収のほぼ2倍生活費がかかっていて、月収の7割弱を占めるのが医療費。もしそんな懐事情のおうちの相談があったら結構な割合の人が「医療費を見直した方がいいと思います」と言うだろう。で、それが今の日本なわけだ。

 

医療費の問題を語る時に出がちなのは「どこかに悪いやつがいる(製薬会社だったり医師会だったり官僚だったり)」なのだけど、一部例外はあれど薬価や医師報酬について、他国と比べて特に高い価格設定がされてる訳ではない。ということは、

  • 今の医療の質を下げるか
  • 健康保険料の負担額を増やすか
  • 自己負担額を増やすか

 

以外に道はない。予防医学に予算を割くなど長期的に出来ることはあるにせよ、少なくとも直近はこの3つの中からどうするべきなのかを、もっと皆で議論しながら考えるべき問題なんだと思っている。

 

自己負担額を増やすと一言で言っても、長谷川豊が言うように「治療を受ける態度によって自己負担割合を増やす(何をもって「治療を受ける態度にするか」など揉める要素満載だが)」だったり、「治療費は比較的安い(風邪系、皮膚炎系)もののみ負担額を5割にする」だったり、とれる方法はさまざまだ。

 

アメリカの知り合いの友達は、骨折して保険が適用されたものの総治療費用は600万円だった。イギリスはホームドクターにかかる料金は無料だが、「詳しくは病院で検査を」の病院の予約は半年待ちとかがざらで、それが嫌なら自己負担で医者にかかる必要があった。そんな未来にならないように、少しでも皆が納得できるような制度改革がされるとよいなと思っている。

 

#ちなみに私はイギリス式をもう少しマイルドにした制度がよいんじゃないかと思っている。この話はまたいつか。