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【米大統領選挙】私の住む世界がマイノリティなのかものマキ。

 

米大統領選挙の日はこれといったミーティングも外出予定もなかったので、ずっと家で仕事をしていた。仕事をしているといっても、TVはつけっぱなし。米大統領選挙の行く末をずっとみていた。次々とアメリカの州のイラストが赤くなっていくのを結構な驚きをもって眺めながら、やっぱり思い出すのはBREXIT。マスコミや私のまわりはEU残留が当然と思っていたし、今回の選挙もヒラリー・クリントン以外はありえないという人が多かった。で、BREXITの時もトランプ大統領の誕生の日にも、結果に絶望する人ばかりで、Facebookでは「民主主義の機能不全」なんてことを言っている人もいた。

 

ただ私が今回2つ続いた「衝撃の結果」をみて思ったのは、もしかして私の住む世界が実はマイノリティなんじゃないかということだ。

 

今回ヒラリーさんがとった州は日本にとって馴染みのある州が多い。シカゴがあるイリノイ州シリコンバレーやサンフランシスコがあるカルフォルニア州、ラスベガスがあるネバダ州、ハワイ州、ワシントンDC特別区。逆にトランプ大統領がとった州で日本でも一般的に知名度があるのはマイアミがあるフロリダ州やテキサスシティがあるテキサス州くらい。後はバスケやメジャーリーグフットボールで地名をきく機会はあっても、訪れる機会はあまりない。どの州がどの候補の選挙人を獲得したかの図をみていると、私が知っているアメリカというのは極一部だったんだなと気づかされる。小さい頃に1年住んで、観光でも4回訪れ、今はアメリカに本社がある会社で働いているにも関わらず。

 

 

私は、そして私と繋がっている大多数の人達はたぶんグローバル化の恩恵を受けている。どの国にだってお金とパスポートがあれば行ける自由さはとても有難いし、賃金が安い国で作られたものがほぼ自由に輸出されてくるおかげで、小さい頃と比べてだいぶ安くモノが手に入る。今の勤めている会社はサービスの提供先が世界中なので、売上の規模が国内向けのビジネスと比較するととても広い。コストをおさえるためにカスタマーサービスの一部の機能を他国に移したり、プログラミングも一部インドに外注していたりする。

 

ただ、そういったグローバル化の流れの中で雇用先がなくなったり、安い労働力の国で作られる製品との競争に勝てなかった人達というのがいる。グローバル化の波に乗れなかった、自己責任、と言うのは簡単なのだけれど、今私の頭をよぎっているのは、もしかして乗れた人の方が少数派なんじゃないかということだ。現にイギリスもアメリカも、ちゃんとした民主主義の流れに則って、グローバル化に「NO」という結果を出している。

 

フランス革命がおこった時、マリー・アントワネットは何故自分があこがれの存在から一転憎まれるべき存在になったか分からなかった。そして同じように、私が謳歌している今のこの世界は、大多数の人からすると、憎むべき世界なのかもしれない。