makicoo thinks

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新年読み初め/「世界しあわせ紀行」感想のマキ

 今年のやることリストの中に「本を100冊読む」というのがある。2017年、読み始めにふさわしい本は何かと思った時に、いつも読んでいるブロガーの方が紹介していた「世界しあわせ紀行」という本が面白そうだったのでこれにした。

fujipon.hatenadiary.com

この本は筆者が「世界幸福度調査」で上位/下位の国をまわり、「幸せ」の源を探るというルポルタージュ。オランダ・スイス・ブータンカタールアイスランドモルドバ・タイ・イギリス・インド・アメリカと10カ国を実際に筆者が旅して、その土地の人と交流して「幸せ」について愚直に聞いてまわった結果をまとめている。結論、10ヶ国をまわったところで筆者が見出したことは「幸福に通じる道はひとつではない」ということ。そして読んでいる私にとっても、いくら国民の幸福度が高かったとしても「スイス」や「オランダ」的な幸せにはあまり興味が沸かなく、まさに「幸福に通じる道はひとつではない」につきるなと感じた。

 

ただ「幸福に通じる道」にヒントがあるとすると、この本の中にも出てくるけど、大病をして、無事に健康を取り戻した人の幸福感は強い。それはやはり当たり前に思っていた「生きる」ということが、「死」を一度覚悟することで、当たり前じゃなくなるのがあるのだと思う。不眠症になると、ぐっすり眠れることがいかに幸福なことを知るのも同様。

 

失ってからじゃないと「ある」に気づけない人生というのは何だかすごくもったいない。そういう意味で、旅に出たり本を読んだり、自分とは違う価値観に触れるということは、すごく重要で、モルドバの人には申し訳ないのだけど、この本の「モルドバ」の章を読むと、いかに日本が恵まれているかを実感できる。

 

なお汚い話で恐縮なのだけど、「人工肛門になって、初めて排便に快感があったことに気づいた」という方の手記を読んで以来、毎回トイレに行くたびにそのことを思い出す。私の人生の幸福感がそれ以来数%押し上がったことを、参考までにお伝えする。

世界しあわせ紀行 (ハヤカワ・ノンフクション文庫)

世界しあわせ紀行 (ハヤカワ・ノンフクション文庫)