makicoo thinks

世の中に対して思うことはここに。

うなぎを食すのマキ。

昨日うなぎを食べた。

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美味しいご飯は相方氏と一緒に食べることが多いのだけれど、うなぎは「コスパが悪い」ということで、彼はあまり乗り気じゃない。土用の丑の日も一緒にいたものの、うなぎは見送り。その後たまに行く東急の高級スーパーで売り場にいっては眺めたりもしたけれど、国産のうなぎとなると最近は2,000円以上したりする。

 -2,000円出すならお店で食べたい。。

 陳列棚から何度か鰻パックに手を伸ばしては思いなおし、結局うなぎを買うことはなく早3ヶ月。。私のうなぎへの思いは募る一方だった。

 

そんな中、昨日渋谷ハチ公近くのadidasに向かう途中、近くの「渋谷 松川」という店の前で足が止まった。ちょうど時刻はご飯どき。幸い昼の予定はこれといってない。かれこれ3ヶ月抱えていたうなぎ熱はとうとう爆発し、ふらふらと店に吸い込まれた。

 

入ってすぐの1階席にはサラリーマンのペアが2組。女性客もシングルのお客さんも特にいず、若干気まずい。メニューを出されて、1尾まるまる食べれる4,300円のうな重をチョイス。たっかーと思いながらも久しぶりのうな重。半尾2,100円の定食もあったのだけれど、半尾じゃ3ヶ月分の思いはおさまらない。

さてちゃんとしたうなぎ店は注文後にさばいて焼き上げていくので、出てくるまでに時間がかかる。そこでいつものように、店内のお客さんの会話を盗み聞き。

 

1組目はチャラめの広告系の人たち。最近しょっぱいプロモーション案件が多いと愚痴話。2組目は不動産系のやや年配の2人。「最近の若いものは~」的な話が一段落すると、話は社内の研修体制の話になった。

「営業の研修ってのは、人あたりのいいやつじゃなくて、やっぱり売れてるやつがやんなきゃダメなんだよ」

不動産系おっさんAが言う。

「いや、けどそうするとインセンティブなくなっちゃうから売れてる人ほど研修講師嫌でしょ」

不動産系おっさんBが言う。

「いや、売れてないやつの話聴いても感じるものはないでしょ。」

不動産系おっさんAは反論する。会話は正直あまりかみ合ってはいない。

ただそんな喧々諤々な会話も先客達のうなぎが到着後は全て打ち切られ、皆一様に粛々とご飯を、そしてうなぎを平らげる。広がる静寂と香ばしいうなぎの匂い。店内は一気になんともピースフルな空間となった。

 

ほどなくして私のうなぎが到着。身が厚いがほどよく柔らかい。タレは控えめでその分うなぎの風味が濃い。さすがその場で焼き上げるだけあって、皮のパリパリ感がたまらない。法外な値段ではあるけれど、やっぱり鰻は、本当に美味しい。

 

ビジネスの近況を嘆いていた広告系、社内の研修体制にモノ申したい不動産系のペアも、すっかり満足そう。

「さあ仕事頑張るか」

そんな前向きな発言を残して、足取り軽く店を後にしていった。

 

そう、鰻を食べるということは、気分をとてもほがらかにする。最近の業界への不満も、若いものへの不満も、研修は果たして誰がやるべきかも、全てうなぎがもっていった。

 

私もすっかり満足し、ただしかなり満腹なお腹にカロリーの心配をしながら、4,300円をカードで支払った。私にとっての4,300円とは原稿1.5本分、そして飲み会約1回分。後悔ではなくすがすがしい気持ちになるのは、やっぱり鰻ってやつが特別だからだろう。

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