makicoo thinks

世の中に対して思うことはここに。

鏡、捨てたい?のマキ。

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※この文章は下記の作品を受けて書いたものです。

大和書房・WEB連載〜40歳がくる!MOB 雨宮 まみ vol03

30歳を過ぎてから、私は老化について、顔のことばっかり気にしていた。とにかく老けるのは顔だと思っていたし、35歳を過ぎたあたりから、化粧品のカウンターでアンケートに出される、「お肌の気になる点にチェックを入れてください」という項目で「美白、肌のたるみ、シワ、毛穴、くすみ」のすべてに片っ端からチェックを入れるはめになった。「なんでもいいから全部に効くやつがあればくれ」。たぶんみんなそう思ってる。
まぁ、顔の老化は予想もしていたから、そこまで急にショックを受けることはない。目尻のシワなんて予想通りだし、ほうれい線もまぁこんなもんだろう。しかし、実際、顔以上にくるのが髪と身体である。

~雨宮まみ~40歳がくる!「鏡、捨てたい!」より

そう、年を重ねるにつれて肌がたるむんだろうとか毛穴が目立つようになるんだろうというのは20代の頃から覚悟していたものの、髪の毛に「加齢」があるのは甘くみていた。もともといい髪質じゃないしときおり乾かさずに濡れたまま寝るような体たらくだったから、従来ボサボサ気味ではあった。ただいつからか髪が常に縮れ気味になって、ますます収集がつかなくなった。

 

そしてなんといっても白髪、である。髪のゴワゴワはまとめ髪にしてしまえばなんとでもなる。ただ白髪はそうじゃない。こまめに美容院に行くようにはしているけれど、それでも白髪がごっそり生えているのに気づいて出先でぎょっとするような事が少なからずある。携帯タイプのヘアマニキュアで必死に取り繕いながら、ああやっぱり年とるってやだなと思わずにはいられない。

 

ひとつだけよかったこととしては、以前よりずっと、美容院に行くと生き返るような気持ちになれることだろう。携帯タイプのヘアマニキュアはあくまでも一時しのぎで、仕上がりもよくない。だからちゃんと美容院で、きれいに白髪を染めてもらった後は本当に気分が華やかになる。

 そういえば今とは違う美容院に行っていたとき、白髪は明るい色が染まらないと言われ、髪の色全体を暗くされたことがあった。白髪が浮くよりはいいかと諦めていたものの、以前より2トーンくらい暗くなったその髪色は、私にとって老化の象徴だった。

ところが今の美容院に行くようになって、明るく染まる白髪染め、ありますよ、と教えてもらった。その時の「救われた感」といったらなかった。久しぶりにきれいな色にしてもらって帰る道すがら、なんか本当に嬉しかったし、なんか本当に救われた。

 

年をとっていくと、鏡を捨てたいと思うようなことがいっぱいある。だけど捨てた鏡をもう1回拾って、じっくり眺めたいようなこともある。そういう瞬間を大切にしながら、「老化」と上手く付き合っていけたらなと思ってる。