makicoo thinks

世の中に対して思うことはここに。

2016年性犯罪の常識のマキ。

同じ女性としてひとごとには思えない慶應大の学生の集団強姦事件。前回書いたように私は

blog.makicoo.com

被害にあった人が勇気を出してそれを届け出たら、シチュエーションがどうであろうとネットも含めた世間がその告発した行為を賞賛し、そして徹底的に加害者を糾弾する世の中になればいい。そしてコトが公になるリスクが一般化することで、このテの犯罪の抑止に大いに繋がるんだと思っている。

という見解。2chのニュース速報+板は連日大盛り上がりでまずはひとまずよかったなと思いつつ、スレをみていて「もしかしてどこからがレイプか知らない?」という書き込みをチラチラみたので、万が一その気はないのに訴えられていたなんて♂が出ないようにまとめておく。

女性が酩酊状態にある状態での性行為は「準強姦」とみなされる

「抵抗されたらレイプ、そうじゃなかったら合意の上」と誤解している人を見かけたが、性犯罪には「準強姦」というカテゴリがある。どうも「レイプ一歩手前」を準強姦と勘違いしてる人すらいるっぽいけど

kotobank.jp

 

こちらに記載があるとおり「暴行・脅迫によらずこれらの状態にして姦淫する罪」だ。たとえ女性があまりに酔っ払い「ウェーイ」という状態になっていたようにみえても、翌朝「そんなつもりじゃなかった。現実じゃないと思っていた」と証言したら、限りなく黒に近い。相手をこの状態にして訴えられて無罪になった例というのは

  • 飲酒を強要されてない
  • そこまで飲んでない

などの「男性側が酩酊状態だと確認できず、また女性側も酩酊状態だとまではいえなかった」などの限られたケース。なお酩酊状態となる酒量の目安は以下のとおり。

酩酊期 0.16~0.30 ビール中びん(4~6本)
日本酒(4~6合)
ウイスキー・ダブル(5杯)
  • 千鳥足になる
  • 何度も同じことをしゃべる
  • 呼吸が速くなる
  • 吐き気・おう吐がおこる
強い酩酊 小脳まで麻痺が広がると、運動失調(千鳥足)状態になる。

http://www.arukenkyo.or.jp/health/base/

もし大して親しくもない人と飲みに行き、あわよくばという思いがあるなら、この酒量に行く前に同意をきちんと取らないと翌日の相手の出方次第ではお先真っ暗だ。

なお今回報道されていることが事実だというと「テキーラ10杯」とのことなので、被害者は酩酊状態にあったと推定される。また本人が自主的に飲んだのではなく「罰ゲームで仕方なく」という事情もあるので、真っ黒。

複数人での性行為は入れてない人も罪

2005年に新しく出来た法律で「集団強姦等罪」というのがある。

kotobank.jp

これは「二人以上の者が共同で強姦罪準強姦罪にあたる行為をする罪」で、実際に挿入したのが1人か2人かは関係なく、性行為をするにあたって手をおさえつけたりする協力者の数も含まれる。なおこの罪は被害者の訴えが必要な「強姦」「準強姦」とは違い、周りにいた人がチクっただけでも捜査対象になる。被害者が被害を訴えてこれが適用されなかったケースというのはほぼなく、何より一見無抵抗に見えても「複数人で襲われて太刀打ちできなくてしょうがなく」という風に言われてしまったら「同意の上」というのは無理ゲーだ。なお今回報道されていることが事実だとすると

 

「抵抗する私を1人が組み伏せ、倒れてる私の上に別の2人がかぶさってきて…」(被害女性)

 

ということなので、集団強姦等罪以外のナニモノでもない。

 

 

性行為や裸の写真を本人の同意なく知人に渡すのは犯罪

これも2014年11月と比較的新しい法律なので「ネットにばらまかなければOK」と勘違いしている人がいるけど、

www.excite.co.jp

ここに記載があるとおり、知人にLINEで送ったことだけでもリベンジポルノ防止法は成立する。万が一その写真や動画を本人の同意の上でとったとしても、それを第三者に渡すだけで罪なのだ。

報道が事実だとすると、今回は被疑者自ら「OBに送った」と明言しているので、黒いを通りこしてアホだと思う。

「示談に持ち込めば影響ない」のウソ

報道が事実だとすると、現在被疑者の方達は何とか訴えを取り下げてもらえないかと画策中のようだが、まず被疑とはいえこのような行為に関わった疑いというのはネットに残る。残念ながら人気企業ほどこのテの噂が流れている人というのは採用しない。ほとんどの会社が内定を出す前のプロセスで「身元調査」を行い、この「身元調査」とは調査会社を通じてインターネット上も含め、本人を採用するにあたり何か懸念がないかを調査する。この調査は本人の知らないところで行われ、企業がとる対策は「疑わしい人はとらない」なので本人が弁解する機会はない。

「やられた方は泣き寝入り」は通用しない

「無理やりやっても写真とってネットにばらまくぞと脅せばOK」と思っている人がいたら、残念ながら今はそんな時代ではない。法律も以前に比べて手厚くなっているほか、ネットで匿名で被害を相談しやすくなっている。今回の慶應生の件で、徹底的に被疑者が叩かれているのもよい兆候。時代は被害者に確実に味方している。

 

軽い気持ちで関わり後で痛い目にあわないように、ちゃんと「性犯罪とはどういうものなのか」の知識をきちんとアップデートし、気がついたら人生オワタにならないようにしてもらいたいものである。